
平安時代にもペットの名前があった
先月ご紹介した宇多天皇の黒猫は、日記の中で毛並みや能力をほめられ、かわいがられていた様子が伝わってきます。しかし残念ながら名前は記されていません。あれほど自慢していた愛猫に、どんな名前を付けていたのか気になりますね。
一方、一条天皇のネコちゃんには「命婦の御許(みょうぶのおとど)」という立派な名前が残っています。「命婦」は宮中に仕える女性の役職名です。そして、同じく『枕草子』に登場するワンちゃんが「翁丸(おきなまる」。千年以上前に呼ばれていたワンちゃん、ネコちゃんの名前を今でも知ることができるのは、なんだか不思議ですね。
江戸時代のペットの名前は?
江戸時代はどうでしょうか。大河ドラマなどでも知られる篤姫(天璋院)は大の猫好きだったといわれ「三千姫(みちひめ)」「サト姫」というネコちゃんを飼っていました。どちらにも「姫」が付いているのが印象的ですね。
また、江戸時代中期の大名、柳沢信鴻(やなぎさわ のぶとき)は、愛玩犬として人気だった狆(ちん)を複数飼っていました。『宴遊日記』には「鬼次」「福」「豆」などの名前が記録されています。「福ちゃん」「豆ちゃん」なら、今のワンちゃんにもいそうな名前ですね。
愛犬・愛猫の名前、何から決めた?
オーナー様は、どのように愛犬・愛猫の名前を決められましたか?
まず思い浮かぶのが、見た目から付ける方法です。毛色から「きなこ」「あずき」「モカ」、ふわふわの被毛から「モコ」など、その子の第一印象がそのまま名前になることがあります。
性格も名前のヒントになります。元気いっぱいの子、のんびりした子、ちょっぴりいたずら好きな子。それぞれの個性に似合う名前を考えるのも楽しいものです。
好きな食べ物や花、季節、映画や小説の登場人物などから名付けたオーナー様もいらっしゃるでしょう。家族みんなで候補を出して、なかなか決まらなかったというご家庭もあるかもしれませんね。
愛犬・愛猫にもあだ名がつく?
そして不思議なのが、毎日呼んでいるうちに愛称がどんどん増えていくこと。
「あずきちゃん」が「あずちゃん」「あず」「あずりん」など、「○○ちゃん」が短くなったり、音が変化したりすることがあります。
そして、いつの間にか正式な名前とはまったく違う呼び方になっている子もいます。
我が家の愛犬・愛猫にだけ通じる、特別な呼び名があるオーナー様も多いのではないでしょうか。
犬と猫で人気の名前に違いはある?最近の名前ランキング
最近のワンちゃん、ネコちゃんには、どんな名前が人気なのでしょうか。
アニコム損害保険株式会社が発表した2026年の名前ランキングでは、ワンちゃんの総合(女の子と男の子合わせたランキング)1位は「ムギ」、2位は「ココ」、3位は「モカ」でした。
一方、ネコちゃんの総合1位もなんと「ムギ」。2位は「レオ」、3位は「ルナ」です。
犬と猫では人気の名前もずいぶん違うように思えますが、ランキングを見ると意外な共通点があります。「ムギ」のほか、「ソラ」「ラテ」「ココ」など、ワンちゃんにもネコちゃんにも人気の名前があるのです。
また、「ムギ」「モカ」「ラテ」「キナコ」「マロン」など、食べ物や飲み物を思わせる名前も目立ちます。かわいらしく、親しみやすい響きが人気なのかもしれません。「レオ」「ルナ」「ソラ」「ココ」など、短くて呼びやすい名前も上位に入っています。
ちなみに、昔ながらのネコちゃんの名前といえば「タマ」を思い浮かべる方も多いでしょう。2025年の調査でも「タマ」というネコちゃんは39頭いました。少なくなったとはいえ、今もちゃんと受け継がれているようです。
参考
アニコム損害保険株式会社「2025年最新版!「猫の名前ランキング」
https://www.anicom-sompo.co.jp/special/name_cat/cat_2025/#anc01
アニコム損害保険株式会社「2025年最新版!「犬の名前ランキング」
まとめ
平安時代の「命婦の御許」「翁丸」、江戸時代の「三千姫」「サト姫」「福」「豆」、そして現代の「ムギ」「ココ」「モカ」。こうして見てみると名前は時代によって変化しています。とはいえ、犬や猫に名前を付け、その名を呼んでかわいがる気持ちは昔も今も変わらないとわかりますね。
オーナー様が愛犬・愛猫に付けた名前にも、きっと素敵な由来や思い出があるでしょう。
毎日呼んでいる大切な名前も、愛犬・愛猫と一緒に過ごしてきた時間の一部です。これからもたくさん名前を呼んで、楽しい毎日を一緒に重ねていきたいですね。








